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 公開日: 2017-05-09  最終更新日: 2017-12-23

任意売却をすることで、滞納した住宅ローンはどうなる?

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任意売却を行ってその売上をローン返済に回しても、まだ完済できない場合があります。

しかし、任意売却の場合、債権者は既に債務者が不動産を処分し、ほとんど資金や財産が残っていないことを知っているので、強硬手段を取るよりも、「無理のない返済計画」に同意してくれる可能性が高くなっています。

それでも、諸事情により「無理のない返済計画」を立てられない場合は、「自己破産」という手段があります。自己破産には「破産時に資産を持っているかどうか」で「同時廃止」と「管財事件」という二種類に分けられ、「管財事件」の方が時期も費用も多くかかります。

任意売却をしても住宅ローンが残っていた場合

これまでのコラムで「任意売却というものがどういうものか」ということはある程度、ご理解いただいたと思いますので、今回は「任意売却を行ったその後」についてお話をしてみたいと思います。

任意売却は競売に比べて、ある程度、市場価格に近い値段で取引できる可能性が高いのが特徴です。しかし、現在は不動産の価格全般が値下がりしています。そのため、「任意売却を行うことで、滞納していた住宅ローンが全て完済できた」ということにはならないかもしれません。

このような場合、当然のことながら残りの住宅ローンを支払う必要が出てきますが、競売と違い、任意売却の場合は残りの住宅ローンの支払いに関しても、ある程度の交渉を重ねた上で「無理のない返済計画を立てやすい」というメリットがあります。

まずは「どうしてそのようなメリットが生じるのか」ということを、任意売却後の返済の流れをご紹介しながら見ていきましょう。

任意売却後の住宅ローン返済の流れ

まず任意売却を行う時点では、滞納した住宅ローンを支払う相手、つまり債権者は通常、金融機関から代理弁済を行った保証会社に移っています。また、この時点で債務者側は「期限の利益」が損失した状態になっていますので、一括での返済を申し立てられても文句は言えません(この辺りの詳しい説明はコラム「任意売却と競売の違い」を参照して頂ければ幸いです)。

しかし、実際には任意売却で得た利益を滞納したローン返済に回した上で、まだ債務が残っていたとしても、それを「一括で支払え」という強硬手段に出ることはあまりありません。なぜならば、債権者はそれが現実的でないことを知っているからです。

多くの場合、任意売却を行った直後の債務者にはほとんど資金や財産は残っていません。
もはや担保としてあった不動産が任意売却によって無くなっていますので、残りの債権は無担保債権となってしまいます。

ここで債権者が一括で返済を迫っても、債務者も返済の仕様がないことは明らかですし、自己破産でもされたら貸し倒れになってしまいます。

債権者側が、残りのローンを返済してもらうために現実を突き詰めていくと、とりあえず最低限の生活ができる収入は残した上で、小額ずつでも毎月の返済を続けてもらう方法を選択することになります。債権者側も「無理のない返済計画」を一緒に考えざるを得ないということです。

中には「債務を圧縮する」つまり、いくらか「返済額をまけてくれる」という債権者もいます。「そんな都合のいい話があるの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、小額ずつの支払いでローンの全額完済が済むまで催促の目を光らせている労力を考えると、「ある程度の金額までの返済でことを済ませた方が、結果的にマイナスが少ない」と債権者が判断した場合、債務の圧縮は十分に起こり得ます。

最後に自己破産について

しかし、例えば「任意売却前に仕事を失い、収入がなくなってしまった」「住宅ローンの他にもいくつも借金がある」などの理由で、そもそも、どう考えても「無理のない返済計画」そのものが立てようがない場合もあるかもしれません。
そうした場合には、自己破産という選択肢もないではありません。ただし、自己破産は住宅ローンの返済を免れることはできますが、保証人がいる場合、その人に返済が回っていきますので、多大な迷惑をかけることになります。
また、一定期間ローンが組めなくなる、職業によっては資格が剥奪されるなど、様々なデメリットがありますので、あくまで最終手段として考えた方が良いでしょう。

また、自己破産を行うのにも費用がかかり、それは自己破産の種類によって大きく異なります。

自己破産には「同時廃止」と「管財事件」の二種類があります。この二種類を分けるのは、自己破産時の資産の有無であり、自己破産をする際に資産がまったくない場合は「同時廃止」、資産が残っている場合は「管財事件」と呼ばれます。

「同時廃止」は手続きに3ヶ月程かかり、費用も3万円と比較的安価で済みますが、「管財事件」の場合は手続きに通常1年以上の時間がかかり、予納金と呼ばれる費用が最低でも50万円、手続きを行う代理人に対しても別途費用がかかることとなります。

任意売却の対象となる不動産は通常資産と見なされますので、任意売却前に自己破産を行うと多額の費用がかかる上に、強制的に競売となってしまうことがほとんどです。

なので、自己破産をするならば、任意売却を行い、資産をゼロにしてからが常套手段となっていますが、これも実は場合によって様々です。

繰り返しになりますが、自己破産は安易に用いるべき手段ではありません。ただし、やむなくする場合は適切な時期や状況などを専門家としっかり相談した上で行うことをおすすめいたします。

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