コラム

 公開日: 2013-10-30  最終更新日: 2014-06-22

液状化と4号建物

2011年3月11日の東日本大震災において、東北地方から関東にかけて震度5以上の地域で広範囲に液状化現象が確認され、それによる被害も東北地方のほか、千葉県、茨城県、埼玉県、神奈川県におよび、特に千葉県の浦安市のうち、中町地区、新町地区は町全体の地盤沈下、戸建住宅の傾斜や上下水道、雨水管、ガス管等の沈下による破断により甚大な被害をもたらしました。

震災後の4月15日から浦安市や福島県に視察に出向きました。道路や歩道での噴砂やマンホールの浮き上がりや波うち現象、戸建住宅の敷地の沈下、浄化槽の浮き上がり等、いたるところで液状化による被害を目のあたりにしました。広範囲で沈下が起こっているため杭基礎で施工されている建物の浮き上がりと比較しないと、沈下していることがわかりませんでした。それほど広範囲に沈下がおこっていたということでした。それは浦安市でも福島のいわき市でも目にいたしました。







液状化は水分を多く含んだ砂質地盤で発生しやすく、埋立地や人工的に造成された地盤や旧河川上でも起こりやすいといわれています。要するに地下水位が高く、締まっていない若い砂質地盤が一番危ないということになります。
高知市でも地表面から1.5m位のところに水位があり、土の粒子がゆるく締まっていない砂質地盤であるところも多いようです。



いずれ来るであろう南海大地震でも高知県特に高知市は液状化による被害からは免れられないであろうと現地を見ながら思ったものです。
震度の大きさと揺れる時間の長さに比例して液状化も大きくなるようで、新築の場合は液状化対策は必須条件であろうと思います。地盤調査での液状化判定や埋立地であれば埋立ててからの経過時間等をもとに十分検討し、対策を講じる必要があります。

一般的な木造2階建てまでの住宅等は建築確認では 液状化を含めた構造関係が審査対象外ということはみなさんご存じでしょうか?
建築基準法6条により、木造2階建てで、延べ面積500㎡までの建物は4号建築物(4号建物)とよばれ、建築確認申請時に4号特例という審査簡素化の特例にて、構造規定が審査対象外になっているということです。

簡単に言うと、構造関係の規定が審査されることなく確認申請が降りているということになります。
ただし、審査が省略されてた部分については建築士と建築主の責任において、法的適合性が求められることになるのです。つまり確認審査機関で審査されない構造の部分については設計者(建築士)によって、適切に建築基準法に違反しないよいうに設計する義務があるということになります。

ということはやはり建築士に総合的に設計してもらいうことがいかに大事かとういことです。
建築確認が降りればいいというような設計内容であれば、構造的な設計はなされていないということになって、違反状態の建物が建つということになるのです。

先般4号特例が適用された建売住宅において、壁量計算をおこなっていない等不適切な設計が行われ、約1,800棟の住宅で強度不足が明らかになったという事件があったことはご存じの方も多いと思います。

姉歯建築士による構造計算偽造事件以後、建築基準法の構造規定や建築士法が改正され、厳格化されてきましたが、まだ4号建物の特例の廃止には至っておりません。

液状化対策も含め、構造関係も十二分に熟慮したうえで地震に耐えうる住宅を設計しなければならないということは言うまでもありません。

信頼できる、独立した 組織に属さない建築士をパートナーとして デザイン的にも構造的にも優れた納得のいく家を建てましょう。







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株式会社堀内計画設計研究所 [ホームページ]

建築家 堀内啓介

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